ヒマラヤの山中で体調を崩した外国人トレッカーを、ヘリコプターで緊急搬送する。聞くだけなら、命を守るための立派な救助活動である。
ところがネパールでは、その「救助」を利用して海外の保険会社から金を引き出す、妙なビジネスが疑われている。
2026年1月25日、ネパール警察中央捜査局(CIB)は、外国人観光客の山岳救助をめぐる組織的不正の疑いで、レスキュー会社などの関係者6人を逮捕した。その後、捜査対象はトレッキング会社、ヘリ会社、病院、ガイド、保険関連の仲介業者などへ拡大。3月22日には32人が起訴され、4月にはさらに1人が追加され、6月には33人全員を対象としたマネーロンダリング捜査まで始まった。
もちろん、起訴された人物について有罪が確定したという話ではない。だが捜査資料から浮かび上がった仕組みは、なかなか強烈である。