フランスの旧市街で「洗濯物を見せるな」 景観保護はなぜ住民の暮らしまで規制するのか

2026年6月3日から、フランス南西部ロット=エ=ガロンヌ県の町ヴィルヌーヴ=シュル=ロットで、旧市街を中心とする一部区域の「外から見える洗濯物」を禁じる市の行政命令(arrêté municipal)が施行された。フランスのarrêté municipalは、日本で地方議会が制定する条例そのものではなく、市長側が行政・警察権限に基づいて出す命令に近い。

話だけ聞くと、いかにも「ヨーロッパの美しい町並み優先で、住民の生活感は退場です」という、やや嫌な味のするニュースに見える。ただ、この件を少し掘ると、単なる「パンツ禁止の珍規制」では終わらない。景観保護、観光振興、貧困、老朽住宅、省エネ、そして行政がどこまで日常生活に踏み込めるのか――。静かな旧市街の話に見えて、実際にはかなり面倒で、かなり現代的な問題が詰まっていた。

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