スペイン「トンネルに入らない列車」の真相――完成車ゼロ、その後の監査で見えた本当の失敗

スペイン「トンネルに入らない列車」の真相――実は1編成も完成していなかった

2023年1月24日、スペイン北部アストゥリアスから妙な鉄道ニュースが広がった。「新しく注文した列車が大きすぎて、トンネルに入らない」というのである。

舞台はアストゥリアス州やカンタブリア州などを走る旧FEVE系のメーターゲージ鉄道網。RenfeがCAFへ発注した新型車と、古いトンネルなどの鉄道施設との間で、ガバリの不整合が見つかった。

だが、世界に広がったイメージと実際の出来事には大きな違いがある。2023年に問題が表面化した時点で、「大きすぎる31編成」が完成していたわけではない。問題の寸法で製造された列車は1編成もなかった。

ここまでは従来の記事でも確認できていた。ところが2026年5月、スペイン会計検査院が99ページに及ぶ監査報告を公表したことで、この騒動にはもう一段深いB面が見えてきた。