タイの関連仏教施設から計85遺体――「遺体を使う瞑想」は本当に仏教なのか?

タイの仏教施設に85遺体――「遺体を使う瞑想」は本当に仏教なのか?

タイ旅行で寺院を何カ所も回っていると、巨大仏、金色の仏塔、洞窟寺院、妙にリアルな地獄絵図など、日本の寺とはかなり違う仏教文化に出会う。

しかし2024年11月20~26日、タイ中部のピチット県とカムペーンペット県で確認されたものは、その中でもかなり異質だった。関連する仏教施設3カ所を当局が調べた結果、合計85体の遺体が確認された。

しかも、そのうち41体が確認されたピチット県の修行施設には、600匹を超えるワニを飼育する大きな池まであった。

これだけ聞くと、かなり危ない宗教施設に思える。ところが調べていくと、話はそれほど単純ではない。遺体や身体の変化を観察し、自分自身の死や身体への執着を考える修行は、仏教の伝統の中に実際に存在する。

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遭難していないのにヘリ救助? ネパール・ヒマラヤ「偽レスキュー」保険金詐欺

遭難していないのにヘリ救助? ネパール・ヒマラヤ「偽レスキュー」保険金詐欺

ヒマラヤの山中で体調を崩した外国人トレッカーを、ヘリコプターで緊急搬送する。聞くだけなら、命を守るための立派な救助活動である。

ところがネパールでは、その「救助」を利用して海外の保険会社から金を引き出す、妙なビジネスが疑われている。

2026年1月25日、ネパール警察中央捜査局(CIB)は、外国人観光客の山岳救助をめぐる組織的不正の疑いで、レスキュー会社などの関係者6人を逮捕した。その後、捜査対象はトレッキング会社、ヘリ会社、病院、ガイド、保険関連の仲介業者などへ拡大。3月22日には32人が起訴され、4月にはさらに1人が追加され、6月には33人全員を対象としたマネーロンダリング捜査まで始まった。

もちろん、起訴された人物について有罪が確定したという話ではない。だが捜査資料から浮かび上がった仕組みは、なかなか強烈である。

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追い越しても、また前にいる――マレーシア・カラック高速道路「黄色いフォルクスワーゲン」怪談はどこから来たのか

夜の高速道路を走っていると、前方に黄色いフォルクスワーゲン・ビートルが現れる。妙に遅いので追い越す。ところが、しばらく走るとまた同じ黄色いビートルが前にいる。もう一度抜いても、またいる。そして横に並んだ瞬間、運転席には誰もいない。

マレーシアで「Volkswagen Kuning(黄色いフォルクスワーゲン)」として知られる都市伝説だ。現在ではクアラルンプールとパハン州方面を結ぶカラック高速道路の代表的な怪談として紹介されることが多い。しかし調べていくと、少々ややこしい。最初の目撃者、最初に語られた年月日、実在する事故との直接的な関係は確認できない。それどころか、古いネット上の記録をたどると、この幽霊車は最初からカラックに住んでいたのかさえ怪しくなってくる。

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ブラジルの怪異「Perna Cabeluda」――人を蹴る毛むくじゃらの脚は、なぜ新聞から街へ飛び出したのか

ブラジルには、胴体も頭もないのに夜道を走り回り、人を蹴る「毛むくじゃらの脚」の怪談がある。名前はPerna Cabeluda(ペルナ・カベルーダ/毛深い脚)。字面だけでもかなり妙だが、この話の本当に面白いところは、怪物そのものより「どうやって怪物が作られていったのか」のほうにある。

しかもこれは、どこかの山奥に昔から伝わる民話ではない。紙面で確認できる最初期の記録は1975年12月10日。場所はブラジル北東部ペルナンブコ州、州都レシフェ近郊のサン・ロウレンソ・ダ・マタ市チウマ地区だった。2025年から2026年にかけて現地メディアが改めて当時の資料を掘り返したことで、この奇怪な都市伝説は「変な怪談」から「社会史の入口」に化けている。

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死んだ父を15万ドルでAIにした男――「デジタル幽霊」は本人なのか、父親っぽく喋るAIなのか

死んだ父を15万ドルでAIにした男――「デジタル幽霊」は本人なのか、父親っぽく喋るAIなのか

人が死んでも、写真は残る。動画も声も残る。そして現在は、そこから「返事をする死者」まで作れるようになった。

2026年7月21日、米国シカゴで開かれたTechChicago Weekの関連イベントに、かなり異様な「父親」が登場した。シカゴでマーケティング会社を経営するBrian Dema氏が、約4年前に亡くなった父J. Richard Dema氏をAIで再現した「RichieBot」である。

制作費は約15万ドル。19人が約6か月を費やし、父親が残した1万7500ページの文書に加え、音声や映像などを材料にした。 SF映画の設定ではない。2026年のアメリカで実際に行われた「死者の再構築」である。

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犬の毛で毛布を織った人びと――サリッシュ・ウールドッグはなぜ絶滅したのか

2026年9月8日、カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)は、絶滅した「サリッシュ・ウールドッグ」の唯一知られる毛皮が、スミソニアン協会からUBC人類学博物館(MOA)へ貸し出され、カナダで展示されると発表した。ニュースとして見れば「珍しい絶滅犬の毛皮が戻ってきた」という話で終わりそうだが、実際にはもっと奇妙で、もっと重い。

この犬は、ただ毛が長い犬ではない。現在のカナダ西岸から米ワシントン州沿岸にかけて暮らしていたコースト・セイリッシュの人びとやマカーの人びとが、毛を採るために育て、刈り、その毛を毛布や衣類にしていた犬である。羊ではなく犬だ。しかも話は珍習俗の紹介では済まない。数千年かけて維持されてきた「生きた繊維生産システム」が、19世紀に急速に衰退していったという、文明と植民地化の話でもある。

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UFOまで自然保護局へ? ニュージーランドDOCに妙な相談が集まる理由

UFOが山に落ちた。玄関に黒猫がいる。ポッサムの糞を何とかしてほしい。さらには「人間とチンパンジーのMMAが計画されている」と心配する連絡まで――。

これらが持ち込まれた先は、警察でも動物病院でもテレビ局でもない。ニュージーランドのDepartment of Conservation(DOC/自然保護局)だった。

DOCが2026年9月14日に公表したところによると、2026年8月31日までの1年間に、カスタマーサービス部門が受けた電話は42,637件、メールは22,394件。そのうち2,977件は、DOCの仕事とは関係のない問い合わせだった。

業務外だった電話は全体の約7%であり、もちろん4万件超の電話すべてが珍相談だったわけではない。それでも、国民は、この役所をいったい何屋だと思っているのか。そうツッコミたくなるが、調べてみると話はそれほど単純ではなかった。

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フランスの旧市街で「洗濯物を見せるな」 景観保護はなぜ住民の暮らしまで規制するのか

2026年6月3日から、フランス南西部ロット=エ=ガロンヌ県の町ヴィルヌーヴ=シュル=ロットで、旧市街を中心とする一部区域の「外から見える洗濯物」を禁じる市の行政命令(arrêté municipal)が施行された。フランスのarrêté municipalは、日本で地方議会が制定する条例そのものではなく、市長側が行政・警察権限に基づいて出す命令に近い。

話だけ聞くと、いかにも「ヨーロッパの美しい町並み優先で、住民の生活感は退場です」という、やや嫌な味のするニュースに見える。ただ、この件を少し掘ると、単なる「パンツ禁止の珍規制」では終わらない。景観保護、観光振興、貧困、老朽住宅、省エネ、そして行政がどこまで日常生活に踏み込めるのか――。静かな旧市街の話に見えて、実際にはかなり面倒で、かなり現代的な問題が詰まっていた。

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観客20人の映画会を台湾政府が警戒した理由 81年前のソ連映画と“選ばれた20人”

観客20人の映画会を台湾政府が警戒した理由 81年前のソ連映画と“選ばれた20人”

2026年9月3日、台北市中心部のオフィスビルで、観客わずか約20人の閉門上映会が開かれた。上映されたのは81年前のソ連の対日戦争ドキュメンタリー――数字だけ見ると、ずいぶん小さな話に見える。

しかも9月3日は、ロシアが「軍国主義日本に対する勝利と第二次世界大戦終結の日」と位置づける日で、ロシア側の駐台窓口は映画とあわせて「日本投降」の歴史文献展も開いていた。ところが台湾政府はこれを軽く流さなかった。台湾の国家安全会議は、中露による「認知作戦」連携を注視していると説明した。妙なのは、映画会の規模は小さいのに、警戒のレベルは国家級だったことだ。

しかもこれは、街角の一般向け上映ではない。Reutersによれば、会場は招待制で、記者の入場は拒否された。台湾外交部は招待客がおよそ20人で、学術関係者が呼ばれていたと説明し、出席者には元記者、ビジネス関係者、学者など「人前で発信できる立場」の人物が含まれていたという。数だけ見れば20人だが、見方を変えれば、20人の観客ではなく、20個の情報伝達ノードになり得る。

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AIはクラウドにいなかった――アメリカで広がる「データセンターお断り」運動

ChatGPTを使っていて、「この質問を答えているAIはどこにいるのか」と考える人はあまりいない。なんとなく「クラウドの向こう側」にいるような気がする。

ところが、そのクラウドにも住所がある。郊外や農村に建つ巨大なデータセンターだ。何千、何万というサーバーが並び、大量の電気を使い、施設によっては冷却のために水を使う。そして24時間、冷却装置や電気設備が動き続ける。

この記事で扱うのは、2025年末から2026年9月にかけてアメリカ各地で表面化したデータセンター問題だ。「AIを支える巨大な箱」を自分たちの町には建てないでほしいという動きが広がり、2026年夏には各地で抗議活動が起きた。しかも話は環境運動だけでは終わらない。反対していた住民が、とうとう地方選挙に出始めた。

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